2017年10月21日
オランダ中世のお城でアンティークの刺繍道具と遭遇!
来月の玄関フロア&1階トイレの改装工事を控え、その準備も最終段階に入ってきました。ほとんどの材料は家に届いているのですが、細かいものはまだこれから揃えていきます。
オランダでは業者に頼む場合でも、工事材料は全て自分たちで調達するのが一般的。つまり、業者さんに支払う代金は人件費のみ、ということ。
というわけで、今日は だいぶ前に注文していた「玄関フロアの敷居」を受け取りにアペルドールン近郊のファーセンまで出かけてきました。デルフトからは約150㎞離れているので少し遠いのですが、家族交代で運転。
なぜ、わざわざ遠いところまで?とも思うのですが、ここにはイタリア産大理石を切り出してくれる特別な会社があるのです。
以前バスルームを改装した時にもここの会社の大理石敷居を使ったのですが、質がとても良いので今回も同じものを注文。
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で、無事に品物を受け取った後…。
そこの会社の方たちに「この街に古いお城があるから、ぜひ寄って行ってみて」と勧められ…。
ちょこっとだけ立ち寄ることにしました。
このファーセンという街。とても小さな田舎街なので、中心街でも駐車場はどこも無料。もちろんお城の駐車場も無料。おまけに駐車スペースはとても空いている。
で、車を停めて、そのお城の入り口に向かって歩くと…。建物が見えてきました〜。
正面のお城はけっこう小さいのですが、右側には素敵なカフェもありました。地元の方たちなのか、皆さんがオープンテラスで寛いでいます。
で、ここでお城の名前を確認。ふむふむ…カネンブルフ城…ね。
お城のお庭は入場無料ですが、建物の中に入るには入場料が必要。というわけで、お城の左手にある別棟で家族全員分の入場料を支払い…。
いざお城の中へ〜。建物の前には運河にかかる橋がかかっているので、そこを渡ると…。
入り口の案内が出ていました。写真右側の狭い階段を降りていきます。
階段を降り切ると、何だかとっても中世感を漂わせる狭苦しい雰囲気のドア…。このドアを開けると、とても気さくで親切な係のおじさんがいて、色々と説明をしてくれました。
ここでバッグ等は全てロッカーに預けないといけないので、貴重品だけを手に持って螺旋階段を上がっていくと、広間が現れます。
その広間を中心にいくつかの部屋が続いていて、なかなか見応えありました。
この16世紀のお城。一時期は長年に渡って誰も住んでいなかった時期があって、かなり傷んでボロボロだったそうなのです。そのせいなのか、一見すると美しいお部屋なのですが、どの場所も床がかなり傾いていたり、ガタガタだったりします。なので、歩くと家具がミシミシと揺れたり…。
屋根裏部屋に至っては、真っ暗で古びた大きな家具がたくさん置いてあって、何だかお化けが出てきそうな感じでした。かび臭い匂いもするし、古いお城の雰囲気たっぷり。
でも、屋根裏部屋からお祈り部屋を見下ろせるのですが、それはなかなか風情のある光景でした。
そうそう! お城内にある昔のトイレはどれもいわゆる ぽっとんトイレ。この座るところの蓋を開けると、恐らく下には運河の水が見えるはず。
ちなみに、このトイレは壁のタイルが全てアンティークのデルフト焼きタイルでした。
お洗濯ルームは天井が低すぎて息が詰まりそう…。窓も何もないお部屋です。
そして、この洗濯ルームの隣にあるのがキッチン。ここはけっこう広くて開放的でした。
あと、キッチンの隅にあった巨大な木製器械が気になったのですが…。
よくよく見ると、木製板に何枚もリネンが挟み込まれてあるので、これって巨大な押しアイロンみたいですね。きっとテーブルクロスを皺なくピシッと伸ばすために使われたのでしょう。
そして…。
一番目に留まったのが、これ。(かなり暗いお部屋に置いてあったので酷い写真しか撮れなかったのですが、雰囲気だけでも伝わるかな…)
当時お城で使われていたお裁縫道具がいくつもありました。白蝶貝の刺繍ハサミやボタン。シルバー製の糸貫等。もうほれぼれするようなお道具類がたくさん並べてあって、うっとり。
ただ、色んなお部屋に昔の城主が仕留めたのであろう動物の古びた剥製がたくさん置いてあるので、そういうのがちょっと苦手な人には不向きかも。
でも、とても歴史を感じるお城で、なかなか面白かったです。お城のお庭もとても広大で、良い感じ♪
お庭のほうから眺めたお城もそれはそれは見事でした。
ヘルダーラント州にはこういうマイナーな古城がいくつも点在しているので、またそのうち他のお城も何かのついでに訪れてみようと思います。
【お城情報】
Kasteel Cannenburch
住所:Maarten van Rossumplein 4, 8171 EB Vaassen
サイト:https://www.glk.nl/cannenburch