Mies Blochの「オランダの12ヶ月」。
この最後の月に描かれている場面には、人物が二人います。手前は世界的に有名なサンタクロース。では、馬に乗っている奥のもう一人は???
このブログをずっと前から読んで下さっている方々はもうご承知のことかと思いますが、こちらの奥の人物はシンタクラース。サンタクロースの元になったとも言われる聖人です。
毎年11月になると、お供のピートたちをたくさん引き連れたシンタクラースが、蒸気船に乗ってスペインからオランダにやって来ます(という設定)。
設定…なのですが、シンタクラースがオランダに上陸する様子は全国ネットでテレビ中継されるほど国をあげての一大イベント!
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オランダ各都市にもシンタクラースはやってくるのですが、今年のデルフトにももちろんシンタさんはやってきてくれました。
このシンタクラース役を務める人は色々な条件をクリアしないといけないのですが、デルフトのシンタさんはここ20年以上はずっとこの方。
なので、我が家では「シンタクラースと言えば、このお顔!」という認識。うちの子も生まれた時からずっとこのシンタさんに慣れ親しんでいます。
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このシンタさん。デルフトで一番大きな運河に船で上陸した後は、旧市街をパレード。その途中にはマルクト広場の市庁舎の前で子どもたちに向かってお話をしてくれます。この時にはデルフト市長さんもお隣にいたりして、本当に本格的なんです。
そして…。
私が毎年不思議だなぁと思うのは、直前までどんなにお天気が悪くても、なぜかシンタさんが市庁舎の前に来る頃には太陽が出てくる、ということ。
今年もシンタさんがデルフトの運河に到着した頃には少し小雨が降ったりしていたのですが、しばらく経つと雨も止み…。陽の光がさしてきました。
本当にこれだけはいつも不思議…。
ちなみに、市庁舎の真向かいには新教会。この日のマルクト広場は子どもたちやその親たちでいっぱいです。
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シンタさんが市庁舎前で子どもたちにお話をしたり、ピートたちが歌を歌っている間、シンタさんの愛馬アメリゴはしばし休憩。
このアメリゴ。本当に大人しくて、優しい眼差しをしています。子どもたちが体のどこを撫でてもじっとしていて、実に穏やかな表情。
私もちょっとだけアメリゴを撫でさせてもらっちゃいました。とてもすべすべの毛並みで温かかった〜。
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そして…。
市庁舎前でのお話が終わった後、シンタさんご一行は再びパレード。
デルフト旧市街を練り歩きます。シンタさんは道行く人に手を振ったり、握手をしたり話しかけたり、実に温かみのある笑顔を向けてくれます。
そんなシンタさんをサポートするピートたち。
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シンタさんをオランダに迎え、ワクワクする季節が今年もまたやってきました。ちなみに、シンタクラースのお祭りを各家庭で祝うのは12月5日です。
その日までの毎夜、子どもたちは自分の靴にアメリゴ用のニンジンを入れてから眠りにつきます。そうすると、翌朝ニンジンはなくなっていて代わりにお菓子が置かれてある、のです。
ということで、うちの子も木靴に毎晩ニンジンを入れてからベッドに潜り込む毎日。朝起きて木靴の中にお菓子を見つけると大喜び!
未だにシンタクラースの存在を微塵も疑わない我が子。それは、やはり毎年シンタさんパレードを目にしているからなのかなぁと思います。
私自身は幼稚園生の頃に既にサンタさんは噓ということを知ってしまったので、疑うことを全くしない我が子を見ているとちょっぴり不思議なのですが、自分で気づくまで付き合っていこうかなぁと思っています。こういうのって、親もけっこう楽しいんですよね。
さて、今夜も木靴に入れるお菓子を準備しなくちゃ♪