旅先で必ず立ち寄る手芸店。
探してみたら、ウィーンにも一軒ありました。
ただ、この手芸店。中心街からけっこう離れていて、行く途中の坂道で少々バテ気味〜。でも、行ってみて良かった! オランダではあまり見かけないリネンやリネンバンドが置いてありました。
アンティークのおもちゃ等も置いてあるお店なので、ショーウィンドウはこんな感じ。
知らないで前を通っただけでは手芸店と気づきにくいかもしれません。
でも、チロリアンテープや色んなタッセルがディスプレイされた円柱がくるくると回っているので、「おっ!」と期待値大〜!
店内はそれほど広くないのですが、どのリネンを購入するかあれこれと迷って、けっこう長いことお店にいたかも。
あ~、頑張って歩いた甲斐があった〜。
でも、帰りはさすがに中心街まで歩いて戻る気力はなくて、地下鉄でシュテファン寺院近くまで。ウィーンの地下鉄は分かりやすいので助かります。
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今回購入した品々は、こちら。
リネンを2種類とリネンバンドを2種類購入。あとは、ハーダンガー刺繍には欠かせないパールコットンの糸玉。
このリネンバンドは極細の柔らかいワイヤーが入っているので、自由自在に形を変えられます。これに何を刺して、どう仕立てようか悩み中。
アンカーのパールコットン。オランダではまず見かけません。
いつも使っているDMCのパールコットンとの違いを知りたくて、試しに購入してみました。DMCより少しだけ割安ですが、それでも一玉5.75ユーロ。
やはり日本で売られている刺繍糸は、信じられないくらいの安値です。一時帰国の時にはまた大量買いしてこなくちゃ。
【店舗情報】
Karl Peter's Söhne
住所:Neubaugasse 11-13 A-1070 Wien, Austria
サイト:http://www.peterssoehne.at/de/index.asp
1週間ほど前からずっとオーストリアに出かけていて、昨日帰宅しました。
旅行の際にはいつもお隣のオランダ人ご夫妻に家の鍵を預けていくので、帰ってきたらまずはお隣さんへ。
オランダは空き巣が非常に多いので、こうやって留守番をお願いできるお隣さんがいると本当に助かります。
実は我が家も一回空き巣に入られ、さらに空き巣未遂も一回経験あったりしています…。(オランダは凶悪犯罪はそれほど多くはないのですが、空き巣や車上荒らしはけっこう頻繁…。)
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オランダからオーストリアまでは車。目的地がウィーン郊外だったのですが、デルフトからウィーンまでは片道約1200㎞。
行きは途中のドイツで一泊しましたが、帰りはオーストリアからオランダまで一気に帰ってきました。この距離を半日で一人で運転するのはかなりきついと思うのですが、うちは家族交代での運転なので大丈夫。
ドイツではかなりのスピードを出せるのですが(時速150〜160㎞で走っていても、横からバンバン抜かされます…)、それでもドイツを抜けるのには時間がかかります。やはりドイツはヨーロッパの大国ですね。広い。
ちなみに、我が家は欧州内の移動はいつもほとんど車です。イギリスへ行く時にも、車ごとフェリーに乗ってしまいます。車だと荷物量を気にせずに済むし、予定を気ままに変えられるし、治安面でも車移動のほうが安全。
そして…。
車移動の楽しみの一つがサービスエリア。ドイツのサービスエリアにはこんな抹茶ドリンクも置いてありました。
最近、ヨーロッパでは抹茶関連の品物を見かけることが増えてきています。
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オランダやドイツのサービスエリアはとても綺麗で居心地良いのですが、それより更に上を行くのがオーストリア。
サービスエリアとは思えないお洒落感が漂っていて、ついつい長居をしてしまいます。以下の写真は、全部オーストリアのサービスエリアです。
こちらはまた別のサービスエリア。本当にセンスが良くて、オーストリアらしいサービスエリアです。
おまけに、サービスエリアのカフェスペースもとても愛らしい雰囲気なんですよ。
ついつい長居をしてしまいます。オーストリアはお食事もデザートも美味しいし、やはり何かが違う。本当にお洒落な国です。
さて…。
オーストリアでの滞在あれこれは、また明日以降の記事でアップしていきますね。
初夏のオランダでは時々見かけるこの光景。
ここは我が家近くのスーパーの真ん前です。白鳥さんご一家が優雅に道を渡っていました。当然のように、道路の両方向で車がストップ。
オランダはあちらこちらに運河が張り巡らされているので、こういう普通の住宅街にもたくさんの水鳥がいます。皆がこの光景には慣れているので、静かに白鳥さんたち一家が通り過ぎるのを待ちます。
オランダは、時間がゆったりと流れる国…。
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さて、先日のハーダンガー刺繍国際コンテスト受賞後、諸々の必要書類を全てアメリカに送付し終わり、ホッと一息ついています。
でも、受賞の実感はまだあまりない…かも。作品本体とチャート本が手元に来たら、実感が沸くのかもしれませんね。
受賞作品は3次元ということもあって、日本語でも作り方説明がけっこう難しい。なので、それを英語で書き記すのには手間暇がかかりました。オランダ生活の中では私は英語にはあまり触れないので、英文を家族に手直ししてもらったり…。
家族の協力は本当に助かります。
提出した文章がそのままページに載るのかどうかはよく分かりませんが、Nordic Needle社から特に折り返しのお問い合わせもないので、あの説明英文で大丈夫だったのかな…という感じです。
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さて、そんな感じで慌ただしく過ごしていたこの1〜2週間。刺繍レッスンも連日立て続けだったので、この後はしばらく休暇の予定。
オランダからドイツを抜けてオーストリアまでちょっと出かけてきます。
もちろん、いつものように刺繍道具一式を携えて〜♪ 宿泊場所近くに手芸店あるかな…。ちょっと調べてみなくちゃ♪ ついでに、オーストリアのお天気も、ね。
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今年のオランダの5月。お天気はイマイチ。今週は一日だけ気温が上がって夏日になりましたが、昨日からはまたグッと気温が下がって雨模様。本当にオランダのお天気は安定しない…。
で、今週たった一日だけでしたが、最高だった日。今年初の裏庭BBQ。お肉と一緒にお野菜をゴロゴロと並べるのが、これまた最高! 今が旬のホワイトアスパラガスも〜♪
友人たちを呼んで賑やかに過ごすBBQも好きなのですが、こうやって家族だけで催すBBQもこれまた至福の時間…。
こういう日に飲みたくなるのは、私はこれ。ベルギーのフルーツビール。
これ、氷を入れて飲むタイプのビールなんです。香りが良くて、とっても美味しいの。お薦めです。
日の光に当たると、ルビー色が際立ちます。ビールを注いでくれた家族が、ご丁寧にライムも添えてくれました。美味しい〜!
昨日のオランダは、今年初の夏日。
うちの界隈の最高気温は29℃! でも、空気がカラッとしているので、日陰にいると心地良いのです。よほど動きまわらない限り、汗も全くかきません。
だから、こういう日には裏庭でチクチクタイム〜♪
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そう! 昨日は今年初の庭チク。
裏庭のガラステーブルの上に、コーヒーとチョコレートにミントを用意して…。
いざ! チクチクタイム開始〜♪
オリジナルデザインのテーブルセンターとテーブルクロス。これを交互にチクチクして、時折お茶して、時折お庭の草木を眺める…。もう至福の時間です。
こちらは裏庭の片隅に咲くスズラン。
ブルーベリーの花もちょうど今咲いています。
今、こういう寄せ植えも置いてあります。
それにしても空は青いし、本当に清々しくて気持ち良い〜♪
どんよりと曇った日が多いオランダでは、こういう青空は貴重です。
これからの季節。気温が高めで晴れている時には、刺繍レッスンもお庭でしたり♪ チクチク作業もはかどります。
こちらのブログではあまりレッスン風景のレポートはしてきていないのですが、色々とお問い合わせをいただくことが増えてきておりますので、本日はレッスンについて。
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今現在、お教室に通ってきて下さっている生徒さんたち。お住まいの場所は、実に様々。近いところでは、デルフトやデンハーグ。
そして…。
ティルブルフやワーへニンヘン、アムステルフェーンなど、デルフトの我が家からはけっこう遠い街からも通って来て下さっています。
通常レッスンでは、お約束した日の午前10時〜17時までは出入り自由。
いつもテーブルの上にはクッキーやチョコレートなどを置いていますが、それ以外には毎回レッスン前にケーキ類を焼くことにしています。
先日は、お豆腐のブラウニーとバナナケーキをお出ししました。
通常レッスンでは各自のペースに合わせて指導させていただいていますが、課題作品の他に、ご自分で探したハーダンガー刺繍キットを刺してきてくださる方もいたり…♪
他にも、課題作以外に色々とご自宅で刺して、レッスン時にそれを見せてくださったりする方も…♪
実に熱心な方たちばかりで、教える側としても身が引き締まる思いを日々感じています。
以下の2点も、そういう生徒さんの中のお一人が課題作以外で刺した作品です。
こちらの2点を作成された方はハーダンガー刺繍を始めたばかりなのですが、どんどん新しいものを刺して、物凄い勢いで上達されています。
色んな生徒さん方から、
「ハーダンガー刺繍って本当に楽しい!」
「もっと早くハーダンガーを始めれば良かった…」
という声を聞かせていただくことが多くて、実に嬉しい限りです♪
ミース・ブロッホのクロスステッチ図案:Zaandijk(ザーンダイク)の風車。
上記のミース本を見ると分かるように、この風車。「馬車が通る道路側」と「船が行き交う運河側」の2方面から描かれた図案になっています。
こちらの風車はティーポットカバーに仕立てるデザインなので、ミースさんは遊び心を出して表と裏側で違うデザインにすることを思いついたのでしょう。
で、こちらのミースさんがデザインした風車。今現在オランダに残っている木造風車の中では、最も古いものです。
というわけで、ミースさんが目にした当時の姿そのままの風車を 今も目にすることができます。
ただ、ミースさんの図案では「ドア枠や窓枠の色」が白ですが、今現在の風車のそれは緑色。
我が家もそうなのですが、オランダの家はこの風車に限らず、定期的にドアや窓の木枠をペンキで塗り直します。ミースさんの図案と窓枠等の色が違うのは、それが理由でしょう。
このように、ミースさんの図案とは違い、今はドア枠が「白」ではなく「明るめの緑色」のペンキで塗られています。
あと、風車の羽部分の向きが図案と違うのは…。
オランダの風車は、羽がついた台座部分が360℃回転します。その時々の風向きによって、風車守が羽の向きをベストな位置に移動させるから、というのがその理由です。
さて、ミースさんが図案化したこちらの風車。
Zaanse Schans(ザーンセ スカンス)、Kalverpolder(カルフェルポルダー)、Oud Zaandijk(アウトュ ザーンダイク)、Koog aan de Zaan(コーフ アアン デュ ザーン)などから成るZaanstreek(ザーンストュレイク)という地域にあります。
この地域の中では一番高さのある風車で、今現在の建物で言うと5階建てくらいの高さです。
1655〜1656年にかけて建てられたこちらの風車。穀物を挽くための風車なのですが、名前を「De Bleeke Dood(デュ ブレイケ ドートュ)」と言います。意味は「蒼ざめた死」。
何とも物騒な名前の風車ですが、外壁正面には名前に因んだ死神の絵もかけられてます。
穀物を挽く目的で建てられた風車に、なぜこんな物騒な名前がついたのでしょうか?
その理由は?と言うと…。この風車De Bleeke Dood(デュ ブレイケ ドートュ)より先に建てられたHet Leven(ヘット レイフェン)という名前の風車が鍵を握っています。
この地域でHet Levenの風車は北端にあり、新しく建てることになったDe Bleeke Doodの風車は南端。
「生きる」という意味のHet Levenの風車に対して、新たに建てる風車を「蒼ざめた死」という意味のDe Bleeke Doodと名付ける。
この相反する名前の2つの風車に挟まれた広いエリアで生活することによって、私たちは「今生きていること」に感謝や喜びを感じよう!
…という意味合いで「De Bleeke Dood」という名前になったのだそうです。
ちなみに、死神の下に書かれてある言葉は以下のとおりです。
De Bleeke Dood
Ik ben het einde van het leven
een ieder zij tot mij bereid
Door volop arbeid hier te geven
weet dat ik werk te alle tijd.
『蒼ざめた死』
誰もがそうであるように、私はここでいつも一生懸命働くことができ、そして今死を迎えるにあたってそのことに喜びを感じている。
--- なかなか哲学的な文章が刻み込まれているなぁ…と感じます。
では、この風車の中に入ってみましょう。
玄関ドアは上下に分かれています。上のドアはずっと開いていますが、下のドアの部分は閉まっているので、掛けがねを外して中へ入ります。
中に入ると、こんな感じ。左側のカウンターでは、この風車で挽いた粉などが販売されています。
風車の動力部分は上にあるので、それを見学するためには、かなり急なハシゴのような階段を上っていかないといけません。
ちなみに、このハシゴにつかまっている子どもは人形です。
手でつかまる部分もない急なハシゴを恐る恐る上って、下を見下ろしてみると…。何だか落ちそうで怖い〜。
そして、さらに上を目指して、同じようなハシゴ階段をいくつも上っていきます。って、この角度はほとんど90度。直角です。各段の幅は狭いし、やっぱりちょっと怖い〜。
途中の階には挽いた粉袋も置いてあります。
床はところどころ下が透けて見える箇所があり、何だか落ちそう…。
でも、この床に設けられた扉を上に引き上げると、下の階には粉袋が見えました。
床板を部分的に開けられるようにしておいて、粉袋などの重たいものを上げ下げできるようにしているんですね。
さて、最上階には外に繋がるドアがあり…。
そこから外に出ると…。さすが5階建ての高さがあるだけのことはあって、見晴らしが最高!
運河を挟んで反対側に、ザーンセスカンスの風車群が回っているのが確認できます。
風車の床板は雨水が堪らないように隙間が空いているので、ちょっと怖いかも〜。少し足がすくみます。
風車の上の部分は藁葺になっています。なかなか雰囲気があって素敵。
ちなみに、ここから見上げる羽はなかなか迫力があります。羽が回る鈍い音が物凄いんですよ〜。
そうそう。ミースさんの図案は羽の部分に飾りがついていますよね。
この飾りは、風車に関係する方たちの特別な時(結婚式、お葬式、結婚◯周年記念など)につけます。
風車守の方にちょっと伺ってみたら、「平均して20年に1回くらいの割合で飾り付けていますよ」とのこと。
なかなか実際に目にすることができない風車飾りですが、実は私たち家族はもう15年以上前にどこかの風車でこういう飾りを目にしたことがあるんです。が! その時の写真が行方不明…。(いつか出てきたら、お披露目いたしますね)
でも、幸いなことに、こちらの風車には、この飾りの写真が展示されてありました。
展示ガラスが粉をかぶっていたので、手で払って写真撮影。
この写真はミース図案と同じように、ドア枠や窓枠が「白」ですね。
そして、1階部分のカウンター近くにはこの写真が置いてありました。
風車の羽の一番上真ん中には、「vrede(フレイデ)」と書かれた飾りがあります。意味は「平和」。
そして、この風車の近くの道路にはこんな看板もかかっていました。1955年に大規模な修繕工事が行われたので、この飾りはその時のお祝いに掲げたものなのでしょう。(2001年にも補修工事が行われています)
こちらは風車の裏側。素敵なお庭が広がっています。
帰りがけに、こちらの風車で挽いた全粒粉を購入してきました。2.5㎏入りで5€。風車が建てられた17世紀もミースさんの時代も、そして今も変わらぬままのDe Bleeke Dood製小麦粉です。
では、ミースさんが図案化した この風車が実際に回っている姿を動画でご覧ください。
【風車情報】
Meelmolen De Bleeke Dood
住所:Lagedijk 28, 1544BG Zaandijk
https://zaanschemolen.nl/molen/de-bleeke-dood/