2017年4月9日
実際の風景編:ミース・ブロッホの「ザーンセスカンスの風景」
昨日の記事の続きです。
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ミース・ブロッホの「ザーンセスカンスの風景」。水鳥たちが泳ぐ運河沿いに可愛らしい家々が立ち並びます。
彼女はこの風景が好きだったらしく、他にもザーンセスカンスの図案を作製しています。
こちらの図案は「ミース・ブロッホ本」に載っているので、ご存知の方も多いかと思いますが、緑色の壁が鮮やかな家ばかりですよね。
先日、久しぶりにザーンセスカンスを訪れたのですが、そこには変わらぬ風景が広がっていました。
運河の前に佇む「緑色の壁と白い屋根」のお家。
運河にかかる小さな橋もあり、ここにはミースさんが何十年も前に目にした光景が変わらぬ姿で残っています。
壁の緑色は、ペンキの色。数年置きに塗り直すので、とても綺麗な状態です。近寄ると、こんな感じです。
こちらのお家は、オランダの有名スーパー「Albert Heijn(アルバートハイン)」の第一号店です。今現在ここはプチ博物館になっていて、当時の店舗の様子を見ることができます。
店舗の横にはアルバートハインの可愛らしい看板も掲げられています。1887年にこの第一号店ができたと書かれてありますね。
ところで、ミースさんのクロスステッチのお家。屋根の上の辺りに「白いまっすぐな部分」があるのが お分かりになりますでしょうか?
これ、何だと思いますか?
煙突は屋根真ん中のピンク色の筒で表現されています。
その両端にある 屋根から上にスーッと伸びた白い部分。
さぁ、これは何でしょう?
実は、この「白いまっすぐな部分」の正体はこちら。
屋根の正面部分についた飾りです。ミースさんのクロスステッチをもう一度載せてみます。見比べてみて下さい。
この屋根飾りはそれぞれのお家で色んな形がありますが、どれもこれも可愛らしいですよね。
なお、ザーンセスカンスには大小合わせてたくさんの運河が流れています。
どこを切り取っても、必ず「緑色の壁」の家々が映り込みます。
こちらは海につながっている運河ですが、奥に見える数々の家も全て緑色の壁です。
そして、当然のように風車も緑色です。
のどかなザーンセスカンスでの風景の中、動物たちもゆったりと寛いでいます。
あっ、そうそう。
ザーンセスカンスのお店で、ミース・ブロッホ作品がいくつか売られていました。
こちらはミース作品ではないのですが、オランダの古い有名なクロスステッチ作品の数々。民族衣装が良い味を出しています。