2017年1月31日
Mies Bloch(ミース・ブロッホ)の図案−『森の住人』
こちらの作品。
ミース・ブロッホの『Bosbewoners(ボスベヴォーナース)』です。
オランダ語でbosは森。bewonerは住民とか居住者という意味です。ここでは、bewoner-sと「s」がついているので、複数形。
なので、「Bosbewoners=森の住人たち」という意味になりますね。
余談ですが、オランダ語の複数形はいくつか規則性があって、語尾に-sがつくのはその中の極一部です。
さて、『Bosbewoners』と名付けられたこの図案。森の王様のお誕生日を祝っている場面が描かれています。
以前こちらの記事に載せたシンタクラース。彼に似た風貌の王様が、森の住人たち=森に住む妖精や動物たち から祝福を受けています。
そうそう! 刺繍に詳しくないオランダ人の知人はこの作品を見て、「シンタクラースがいるね」と言っていました。
参考までに…。
オランダのシンタクラースはこちらです。
どうでしょう? 上の図案の「森の王様」に似ているでしょうか〜?
この写真には写っていませんが、シンタクラースも「森の王様が握っている黄金の杖」そっくりな杖を持っているんですよ。
それはそうと、この作品は見れば見るほど可愛らしいモチーフに溢れていますね。
王様へのプレゼントを背中にくくりつけたトカゲ。バースデーケーキを背中に乗せたカメ。
その他の動物たち色々とプレゼントを口にくわえたりしていて、眺めているだけでも微笑ましい気持ちになってきます。
3人の妖精たちは音楽を担当。澄んだ美しい音色が聞こえてくるようです。
そして、妖精たちの奏でる音楽に合わせて歌う鳥さん家族。とても愛らしい光景が広がっています。
ちなみに、オランダで額装を頼むと表面が光らないガラスを使用することが多く、この作品が入っている額も その光らないタイプのガラスです。
なので、写真に撮っても、ガラス面が反射することはありません。でも、少しモヤがかかったように映ってしまいますね…。実際はとてもクリアなガラス面なんです。
まだどこに飾るか決めていないので、とりあえず3階のゲストルームの床に置いて撮影してみました。
とても愛らしい雰囲気♪ このお部屋に飾ることにしましょうか、ね♪
2017年1月30日
ヒンデローペン塗りのアンティークのソリ
オランダの古都デルフト。
春から夏にかけてはアンティーク市が開催され、街にはいくつものアンティークショップがあるという 古いものが似合う街です。
ここに住んで17年が過ぎ、日々これら古いものに接する機会が多いこともあって、今ではすっかりアンティーク好きになりました。我が家のリビングの家具も新品で購入したものはほとんどなく、アンティークショップなどで出会ったものばかりです。
アンティークの刺繍を探すことはもちろんですが、それ以外の古いもの探しも大好き♪ デルフト旧市街で買い物等をする時には、必ず行きつけのアンティークショップの何店舗かに立ち寄ります。
で、ここ最近。その中の一軒で思わず惹きつけられたものが、こちら。
オランダの古いトールペイントであるヒンデローペン塗りで彩られた木製のソリです。
可愛い! 欲しいかも〜♪
でも、そこそこ大きいソリ。買ったとしても、置き場所に困るかも…。これをリビングに置くのはちょっと違うし…ねぇ。
というわけで、ちょっと後ろ髪を引かれつつ購入を却下。
でも、素敵なのよねぇ…。座るところにもきちんと模様が描き込まれて、なかなか凝っているし♪ きれいに布で磨いて、剥げかかっているところは少し補修すれば良い感じになりそう。
と、心乱れつつ、やっぱり持て余しそうな感じがするので購入はやめにしました。
それにしても、このソリ。お店の前の歩道に無造作に置かれている割にはかなり値が張るのですが、大丈夫なのかしら〜???
デルフトは比較的治安が良いと言われる街ですが、空き巣等は日本より断然多いので、やはり気になります…。
2017年1月29日
Mies Bloch(ミース・ブロッホ)の看板図案【口を開けたおじさん編】
Mies Bloch(ミース・ブロッホ)の看板シリーズ。
本日ご紹介するのは、こちら。何やらターバンを巻いて口を大きく開けている謎のおじさんです。なかなかインパクトのあるクロスステッチ図案ですよね。
この図案説明には、これは北ホラント州のエンクハウゼンにあるZuiderzeemuseum(ザウデルゼイムーセウム)で展示されている看板を図案化したものだと記されています。
ちなみに、エンクハウゼンはアムステルダムの北東側に位置し、アイセル湖に接している街です。
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では、この不思議な雰囲気漂うおじさんの看板。一体、何のお店の看板なのでしょうか?
答えは…
薬局の看板です。このターバンらしきものを巻いた男性は、ムーア人。
では、なぜオランダの薬局がこのムーア人の男性の顔を看板にしたのか?というと…。
昔、オランダでは薬剤師はムーア人の格好をした人を連れて、道の真ん中で薬の販売を行っていました。薬の原料が遠い異国から来ているということと、人々の注目を集めてお客さんが増えるという理由で、ムーア人の格好をした付き人を連れていたのだそうです。
ということで、オランダにはこの薬局の看板がけっこう残っています。デルフト旧市街にもこのおじさんがいるんですよ〜。
この看板がかかっている建物は、今でも薬局。色んな薬の他に、蜜蝋も置いてあったり…。250年続いている実に歴史あるお店です。
ここのお店の薬用ドロッペは、うちの家族曰く「風邪にものすごく効く!」とのことです。ドロッペは大抵の日本人には悪評高い激不味の黒グミですが、あまりに風邪が酷い時には試してみるのもいいかもしれません。(でも、私はドロッペは超苦手。ダメです…。)
この薬局がある場所は、デルフト旧市街の中心マルクト広場。新教会と市庁舎が向かい合って建っている広場です。
真横から看板おじさんを撮ると、新教会も一緒に写ります。
ちなみに、薬局のお隣はデルフト陶器のお店。
分かりやすい場所にあるので、オランダ在住者や観光でいらした方はぜひ見つけてみてください。
お店の前には、こんなおじさんの像も置いてあります。
【デルフトの薬局情報】
Drogisterij De Salamander
住所:Markt 47, 2611GR Delft
http://www.salamanderdelft.nl/
2017年1月28日
Mies Bloch(ミース・ブロッホ)の図案とチーズ市
Mies Blochが活躍していた1960〜80年代には、オランダ人ステッチャーの皆がこぞって彼女の図案を刺していたようで、今現在のアンティーク市場にはMies Bloch図案や作品が多く出回っています。
数年前に、私がこのMies Bloch作品をフェイスブックのクロスステッチグループで初めて日本へ紹介した時に物凄い反響があったのはこちらの記事にも書きましたが、それ以来ずーっと不思議に思っていること。
それは…。
なぜこんなにもMies Blochが今の日本のステッチャーさんたちの間で人気が出たのか?ということ。
彼女の図案はオランダの日常生活を描いたものが多く、一つ一つのモチーフを眺めていると本当に楽しくなります。
ただ、それはオランダの諸々を知っているから楽しめるのかな?と思っていたのですが、日本でこれだけ反響があるということは、そうではないということ。その理由が何なのかは知りようもないのですが、全体的に素朴で牧歌的な雰囲気が良いんでしょうか?ね♪
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さて、Mies Blochがデザインした数々のオランダモチーフ。それらについて少しずつこちらのブログで書き記していく予定でいますが、本日のモチーフはこちら。
赤い帽子を被った男性二人が、何やら黄色い塊を運んでいます。
これ、何をしている光景だと思われますか?
実は、この黄色い塊はオランダ名物のゴーダチーズ。というわけで、これは今でも定期的に行われているチーズ市の様子を描いた図案です。
では、実際のチーズ市の様子と この図案を比べてみましょう。
こちらの写真はアルクマールのチーズ市の様子です。14世紀から続くチーズ市で、たくさんの観光客が見物する中で実際のチーズの取り引きが行われます。チーズの品質チェックが終わった後に、計量所までこうやってチーズを担いで運びます。重さは100キロを超えるそうです。
ちなみに、品質チェックは複数人で行われます。丸い大きなチーズを少し切り出して、味や匂いをチェック。
チーズチェックの間、カラフルな帽子を被った運搬人たちは計量所の建物の前で待機しています。
そして、いよいよ運搬作業が開始。
ちなみに、アルクマールのチーズ市はこのチーズミュージアムの前にある広場で行われています。建物の中には大きな計量秤が置いてあり、そこに乗ることもできます。チーズ市見学の後にはぜひ中へ♪
チーズ市は午前中開催なのでちょっと早起きして出かけることになりますが、オランダ観光の際にはぜひお立ち寄り下さいませ。
【アルクマールのチーズ市情報】
https://www.kaasmarkt.nl/
2017年1月23日
凍る運河
今朝も氷点下。マイナス5℃です。
車も凍りついて、ガラスにガチガチにへばりついた氷を溶かすのに一苦労。青色の解氷スプレー剤を車の窓ガラス全てに吹き付けて、専用器具でガシガシとこすって氷を剥がしていきます。
この時期には車に必ず常に1本は常備しておく解氷スプレー剤。我が家は、安売りしている時に多めに買っておきます。
そして、我が家の近所の大きな運河はまだ凍ってはいませんが、デルフト旧市街の小さめ運河は凍りつき始めました。
鴨さんたちもほらこのとおり。運河の上をトコトコと歩いています。でも、見ていると、けっこう足元を滑らせている鴨さんたちも。
オランダ在住の友人たちのSNSなどを見ていると、鴨のスケートと一緒に人間たちもスケートしていたりするので、かなり氷が分厚くなっている運河もあるようです。
デルフトの界隈は北海に近いということもあるのか、内陸オランダ各地と比べて比較的気温が高めのようです。
でも、寒い〜。
こんな日はやはりお家にこもってチクチクタイム♪ 今週はまた体験レッスンが入っているので、そっちの準備も同時進行です。
2017年1月22日
Mies Bloch(ミース・ブロッホ)の図案【ユニコーンの看板】
本日は、上記写真の中央にある図案「ユニコーンの看板」について。
ユニコーンが看板になるお店とはなんぞや?と思うのですが、実はこれ。デルフト旧市街にあったタバコ店の壁にかけられていた看板です。(今現在ここは1階はカフェ、2階は住宅になっています。)
なぜタバコ店がユニコーン?
たぶん…ユニコーンの頭からスーッと伸びる一角がタバコをイメージさせたのかもしれませんね。
って実際のところはよく分かりませんが、このユニコーンの看板。今も健在なんです。
見えますでしょうか?
「Kobus Kuch(コブスクッシュ)」という名前のカフェの壁から黄金のユニコーンが飛び出ているのが…。
ちょっと分かりにくいかしら、ね。ってことで、ズームインしてみましょう。
図案と比べてみると、どうでしょう? ユニコーンの顎ヒゲ(?)もきちんと描き込まれています。
図案のユニコーンのお腹周りのベルトがエメラルドグリーンなのは、もしかしたらこのユニコーン。ミース・ブロッホがデザインした時にはこの色だったのかもしれませんね。(今現在は蹄以外はベルト部分も含めて全部ゴールドで塗られています。)
で、このユニコーンを撮るために上を見上げて何枚もパシャパシャしていたのですが、オープンテラスでお茶をしていた人たちの何人かが、時折こちらを気にしていました。
確かに、このユニコーン。椅子に座ってお茶している人たちからは見えないので、「一体何を撮っているの?」と不思議だったんでしょうね。
まぁそういう人の目は気にせず、角度を変えて撮ってみるとこんな感じ。
ちなみに、このユニコーンの看板があるカフェ「Kobus Kuch」。オランダ名物アップルタルトが美味しいお店として、昔からデルフト地元民の間で大人気。もちろん他のメニューも美味しいですよ〜。
デルフトを訪れた際には、このユニコーンを見つけがてら「Kobus Kuch」でランチやお茶を楽しんで行かれることをお薦めします♪
そして、ここのお隣にはデルフトビールの工場兼カフェもあります。
つい最近のことですが、この店舗内で大火事が発生し大変だったようです。でも、今はもう普通に営業。中世から続く石造りの建物なので、火事には強いみたいですね。
ということで、デルフトでしか飲めない地ビールを楽しみたい場合は、ついでにこちらへもどうぞ♪
◆カフェ情報
Café Kobus Kuch
住所:Beestenmarkt 1, 2611GA Delft
http://www.kobuskuch.nl/
◆デルフトビール情報
Bierfabriek Delft
住所:Burgwal 45-49, 2611GG Delft
http://www.bierfabriek.com/delft/
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